合宿報告
パンパシフィック選手権・アジア競技大会代表合宿報告
執筆者:日本代表ヘッドコーチ 下山好充(新潟医療福祉大学)
この合宿は、2026年4月25日(土)から5月6日(水)までの間、ナショナルトレーニングセンターにおいて、本大会に向けた強化期間の立ち上げとして、チーム全体で研鑽を積み、切磋琢磨しながら課題を明確化するとともに、各種測定や講習を通じて代表選手個々の身体的能力の底上げを図ることを目的に実施された。
合宿対象者は、パンパシフィック選手権およびアジア競技大会の日本代表選手35人、ならびにジュニアエリート突破者のジュニア選手11人であった。
今回の合宿では、ライバル同士が互いに刺激を受けながら切磋琢磨できる環境の中で実施することができた。また、グループを早番・遅番に分け、それぞれの特性に応じた強化を行った。早番では、若い中長距離選手を対象に、平井伯昌コーチを中心として、輩出コーチを含む若手コーチ陣がコーチングを学びながら指導にあたり、選手たちは厳しい練習にも一体感を持って取り組むことができていた。
一方、遅番では、ベテラン選手や短距離選手を中心にタイプの異なる選手たちが集まり、それぞれの特性に応じて、神田忠彦コーチ、高城直基コーチ、金子雅紀コーチと執筆者の下山好充が個別性を重視したトレーニングを実施した。

また今回は、スタート測定、ジャンプ測定、牽引泳測定、最大酸素摂取量測定など、選手の特性に応じた各種測定を実施した。さらに、練習の合間には各分野の専門家から測定のフィードバックを受ける機会を設け、選手・コーチ双方にとって有意義な時間を持てた。これらの測定については、今後の強化事業においても継続的に実施し、モニタリングしながら科学的根拠に基づいたコーチングに生かしていきたい。
また、日本代表選手と一緒に参加したジュニアエリート突破のジュニア選手たちにとっては、代表選手の高度な技術、練習に対する姿勢、そして日常的に求められる競技環境を直接体感する貴重な機会となった。同じメニューに取り組む中で、代表選手の集中力、準備の質、自主性に触れたことで、ジュニア選手たちの練習姿勢も普段以上に引き締まり、より密度の高い練習を積むことができたようだ。
ジュニア選手も日本選手権の振り返りグループワークに一緒に参加し、代表選手からジュニア選手へ積極的に声をかける姿も多く、本合宿は次世代育成の観点からも大きな成果を得ることができたと感じている。
一方で、ジュニアエリート突破ジュニア選手の所属コーチの参加が非常に少なかった。世界と戦う次世代コーチの育成という観点からも、今後はジュニア選手の所属コーチに対しても積極的に参加を促し、日本代表活動を通じた指導力向上の機会を広げていきたい。

Pick up
ピックアップ
バックナンバーはこちら