2026.07.10

国際大会報告

WORLD AQUATICS AS ワールドカップ2026 中国大会 遠征報告

執筆者:ヘッドコーチ 宮川 美哉

2026年5月1日〜3日 中国・西安で行われた本大会は、今シーズンから新体制となったチームにとって初戦となる大会であった。年末よりアクロバティック強化を目的に身体作りから取り組み、3月にはアクロバティックコーチとしてAldo Pantaleoni氏を招聘し、直接指導を受ける機会を設けながら強化を進めてきた。そのなかで選手・コーチともに成長を実感しており、本大会はその成果を初めて披露する場として、大きな期待を持って迎えた大会である。

 その他の種目については、まだ発展途上の部分も多く残されているが、現段階で発揮できる最大限の演技を目指した。また、6種目中4種目が新ルーティンであるため、世界のジャッジからどのような評価を受けるのかを確認し、今後の強化につなげることも本大会の重要な目的であった。

 今大会には中国、ロシア、イタリアなど世界トップレベルの国々が参加していた。公式練習では各国の演技や練習状況を見る機会があったが、そのなかでも特に強く印象に残ったのは中国とロシアである。

 中国はシニア、ジュニアを含め20人以上の選手が参加しており、その選手層の厚さに大きな危機感を抱いた。どの選手が入ってもチームとして崩れることなく成立するような体制が整えられており、日ごろから継続して強化されていることを強く感じた。また、若い年代から世界基準を意識した育成が行われており、長期的な視点でチーム作りが進められていることも印象的であった。

 ロシアは全種目に参加しており、特にチーム種目においては隙のない完成度の高い演技を見せていた。演技内容や構成力も非常に素晴らしかったが、最も感心したのは練習量である。完成度が高いため余裕があるようにも見えたが、実際には朝から晩まで徹底して練習を行っていた。その姿勢から、世界で戦うためには圧倒的な練習量と積み重ねが必要であることをあらためて実感した。

 世界トップの現場を目の当たりにし、最終的には日々の積み重ねに勝るものはないことを強く感じた。技術だけではなく、練習に向き合う姿勢やチームとしての意識の高さも含め、日本チームとしてさらに成長していかなければならないと痛感した大会であった。

 アクロバティックについては、選手・コーチともに自信を持って試合に臨むことができた。しかし結果としては技が認定されずベースマークとなり、大きな課題を残した。その一方で、フィーチャードスイマー(ジャンパー)の石井小夏選手にとっては今回が初めての代表活動であり、大きな舞台での挑戦となった。今後は国内大会やエキシビションなどを通じて、緊張感のある環境で経験を積み重ねながら、チーム全体として自信と安定感を高めていきたい。

 一方で、選手たちが石井選手に対し強い感謝の気持ちを持っていたことが非常に印象的であった。「はじめてワクワクしながらアクロバティックに挑戦することができた」と話していた姿からも、新しい挑戦に対する前向きな空気がチーム内に生まれていたことを感じた。この経験を無駄にせず、今後の強化へつなげていきたい。

 課題としては、アクロバティックを緊張感のある場面でも確実に成功させられるよう、実践的な機会を設けていく必要がある。また、チーム種目全体に精度向上に向けて、日々明確な仕上がりの目標設定を示しながら練習を重ねていきたい。

 個人種目に関しては、同時性について現地ジャッジからも助言を受けており、細かな部分まで揃える意識を持ち続ける必要がある。全体的に、まだ完遂度が十分とは言えず、高さも不足しているため、得点が伸びにくい状況である。そのため、高さをより出せる組み合わせやタイミングを見直しながら仕上げていきたい。

 次の大会まで残された時間は多くないが、本大会で得た課題や世界トップとの差をしっかりと受け止め、限られた時間の中で修正と強化を重ねていきたい。今回得られた経験を今後につなげ、さらに完成度を高められるよう、チーム一丸となって取り組んでいく。どんな苦しい場面でも、日頃より寄せていただいている皆さまのご声援が、選手・スタッフにとって前へ進む大きな力となっている。その期待と想いを胸に、これからも世界へ挑戦し続けていきたい。

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