国際大会報告
競泳 日本代表 シドニーオープン遠征報告
執筆者:競泳ヘッドコーチ 下山好充(新潟医療福祉大学)
2026年5月12日(火)から5月18日(月)まで、オーストラリア・Sydney Olympic Park Aquatic Centreにおいて開催されたシドニーオープンに出場した。
本遠征は、2028年ロサンゼルス五輪に向けたメダル候補選手およびリレー代表候補選手に対し、海外大会での経験を積ませるとともに、競技会でのレース強化を図ることを目的として実施した。そのため、対象者はパンパシフィック水泳選手権およびアジア競技大会日本代表選手の中から、個人種目派遣II突破者および男子フリーリレー代表選手を中心に選抜した。ロサンゼルス五輪においても、個人種目派遣II突破者およびリレー代表選手が中心となることが想定されるため、五輪を見据えた高い競技レベルでの選抜メンバーとなった。
本遠征はパンパシフィック水泳選手権に向けた強化期間中に実施したことから、強化の流れを維持することを優先し、日本との時差がほとんどないオーストラリアを遠征先とした。
また、約10時間のフライトを経て大会2日前に現地入りする日程とした。しかしながら、コンディション調整に時間を要した選手も多く、大会初日よりも2日目、2日目よりも3日目と、徐々にパフォーマンスが向上する傾向が認められた。チーム全体の自己ベスト達成率も、以下の通り日を追うごとに向上した。
• 1日目 予選:96.7% 決勝:96.6%
• 2日目 予選:96.3% 決勝:97.8%
• 3日目 予選:96.7% 決勝:98.5%
また、選手たちはリレー種目を含めると1日2~5レースを3日間連続でこなす過密なスケジュールであったため、疲労が日々蓄積する状況であった。そのような中でも、今回選抜した選手たちは海外特有の環境に適応しながら、それぞれが自身のレースに集中し、レースごとに課題を整理・修正しながら競技へ臨む姿勢が見られた。競技面だけでなく、海外大会における自己管理能力やレースマネジメントの面でも有意義な経験となった。
一方で、出国から帰国まで約1週間という比較的短期間の遠征ではあったものの、長距離移動による疲労の影響は想定以上に大きく、大会初日から十分なパフォーマンスを発揮できた選手は限定的であった。現地到着日には、屋外プールで太陽光を浴びながら練習を実施するなど、時差や移動疲労への適応を促すコンディショニングを行った。しかし、自己ベスト達成率の推移からも明らかなように、競技パフォーマンスは大会を通じて徐々に向上しており、今後は渡航スケジュール、現地到着後のコンディショニング、さらには長時間フライト中の過ごし方についても検討を深め、より早期に競技力を発揮できる体制を構築する必要がある。
以上のことから、本遠征は海外大会での経験の蓄積と競技力向上という当初の目的を概ね達成することができたと考えられる。また、ロサンゼルス五輪を見据えた国際大会での戦い方や遠征時のコンディショニングに関する多くの知見を得ることができ、今後の強化活動につながる有意義な遠征となった。
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