【AS】ワールドカップ 2026 スーパーファイナル 報告 『成長の実感と明確な課題』
執筆者:コーチ 小野 茜
開 催 日 2026年6月19日~21日
開催場所 Toronto Pan Am Sport Centre(カナダ・トロント)
World Aquatics AS World Cup Stop3の中国大会後、約1カ月半でルーティンの修正と完遂度を高めるトレーニングを積み、このチームで二度目の国際大会となるWorld Cup スーパーファイナルに挑んだ。
5月の中国大会ではソロテクニカル、チームフリールーティン、アクロバティックルーティンの3種目が実施ミスにより技が認定されず(ベースマーク)、メダルを逃す悔しい結果となった。特にチーム種目のベースマーク判定はアクロバティックの失敗によるものであったため、今大会ではノーベースマークで泳ぎ切り、世界のトップチームと競いメダルを獲得することを目標とした。
出場国は24カ国。中国、イタリア、ウクライナ、アメリカ、カナダ、メキシコなど強豪国が参加しており、公式練習から緊張感が溢れていた。
日本チームは、6種目中4種目でメダルを獲得。どの種目も私たちが今持てる力を発揮することができた。特にチームフリーでは冒頭のアクロバティック2つを最高の出来で決めることができ、会場に大きな歓声が湧きとても良い流れを作ることができた。この種目は中国が出場していなかったこともあるが、最後までスピード感を失わず、一つひとつの技を確実に実施し、優勝することができた。国際大会で久しぶりに君が代を聴くことができ、感慨深いものがあった。
また、前回大会で非常に悔しい思いをしたアクロバティックルーティンは、すべての技を成功させ、中国に次ぐ2位となった。素点を見ると10点が並ぶ技もあり、ここまで日本の大きな課題としてアクロバティック強化に励んできた成果と成長を感じ、選手・スタッフ全員の自信に繋がった。アクロバティックが強いアメリカ、メキシコ、ウクライナを上回れたことは、とても喜ばしく大きな意味を持つ。
ソロテクニカルルーティンに出場した比嘉もえは、前回大会でエレメントがベースマークとなってしまったが、今大会ではしっかりと修正し、中国、ドイツに次ぐ3位。この種目ではじめてメダルを獲得することができた。独特な雰囲気の音楽を表情豊かに泳ぎ、演技後のフィードバックではパフォーマンスにお褒めの言葉をいただき、彼女の成長した姿を披露できたのではないだろうか。
残念ながらチームテクニカルルーティンは冒頭のアクロバティックが回転不足でベースマークとなり6位、デュエットテクニカルルーティンでは足技(ハイブリッド)の実施が認められずベースマークとなり9位で、メダルを逃す悔しい結果となった。
どちらのルーティンも演技の出来映えは良く、ベースマークになっていなければメダルを獲得できていただろう。少しの実施の甘さが大幅に点数を下げ、大きく順位を落としてしまうのが今のルールであり、勝つためには演技に隙を与えてはいけない。2カ月後に控えたアジア競技大会ではチーム3種目の合計得点で結果が決まるため、一つのベースマークが命取りとなる。デュエットも然りである。申告した技を確実に実施できるようベースマーク対策をし、精度を高めてアジア大会に臨む所存だ。
世界のトップチームと競うなかで、アジア競技大会に向けての課題を明確にすることができた。しかし、前回からの課題であった高さ不足は依然として改善されておらず、世界の上位国との差は大きいままだと痛感した。
特にアンバランスの角度で実施している足技が低い。中国、アメリカ、イタリアは足技に高さがあり、多少の乱れがあっても素点が高く出ている。高さの改善を急務として今後トレーニングに励んでいく。また、どの種目もアーティスティックインプレッションパネルにおいて高評価をもらえるようになってきたため、さらに得点を伸ばせるようボディの高さを上げたパフォーマンスをし、独創的な構成を追求し続けていきたい。
9月のアジア競技大会に少しでも中国に迫れるよう、一つずつ課題をクリアし、チームとして成長していきたい。
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