2026.04.22

競技会報告

第12回全日本ジュニア(U17)水球競技選手権大会(かしわざき潮風カップ)の大会運営と今後の発展

執筆者:柏崎市教育委員会水球のまち推進室・栗林弘至

大会データ
開催日:2026年3月19〜22日
開催場所:新潟県立柏崎アクアパーク

女子は神奈川選抜、男子は岐阜選抜がそれぞれ初優勝

本大会は、全国JOCジュニアオリンピック水泳競技大会、全日本ユース(U16)水球競技選手権大会(桃太郎カップ)と並び、日本の水球競技における年代別強化大会の一つとして開催されたものであり、将来の日本代表選手の育成・発掘を担う重要な大会として位置付けられている。各地区予選を勝ち抜いたチームが一堂に会し、全国レベルの競技力を体感するとともに、選手同士の交流や競技力向上を図る場としても大きな役割を果たしている。

大会の開催にあたっては、7月から準備部会及び実行委員会を開催し、第11回大会の出場チームから寄せられたアンケート結果や、競技役員、関係団体、地元関係者からの意見や提案を踏まえながら、より充実した大会運営を目指して協議・検討を重ねた。

特に、選手の競技環境の向上と運営の効率化の両立を図ることを目的に、細部にわたる見直しを行った。

主な改善点としては、これまで監督・コーチを中心に行っていた組合せ抽選会について、選手などチーム代表者の参加を可能とし、選手自身が大会に主体的に関わる機会を創出したことが挙げられる。これにより、抽選会そのものが大会の一部としての意味合いを持ち、選手のモチベーション向上や大会への期待感の醸成にもつながった。

また、2日目及び3日目の試合開始時間を30分遅らせることで、遠方からの参加チームの移動負担や選手のコンディション面に配慮するとともに、役員・スタッフの運営体制の安定化にもつながる改善を図った。

さらに、大会運営において重要となる競技役員の確保については、地元大学の水球選手、水球クラブチームの社会人、ボランティアスタッフなどを中心に協力を依頼し、調整に多くの時間を要したものの、最終的に約60人の地元スタッフを確保することができた。

地元関係者が主体となって大会を支える体制を整えることができたことは、大会の安定した運営だけでなく、地域における水球競技の普及・発展にも大きく寄与するものであった。実際に、学生から社会人まで幅広い世代が運営に関わることで、地域全体で大会を支える機運が高まり、円滑な競技運営を実現することができた。

また、第12回を迎えた本大会を、より地域に根差した大会として発展させていくため、地域と連携した様々な取り組みを実施した。

地元高等学校書道部による大型応援メッセージの掲出は、来場者を温かく迎えるとともに、会場の雰囲気を盛り上げる効果をもたらした。また、駅敷地内への歓迎看板の設置により、来訪者への歓迎ムードの醸成を図るとともに、地域全体で大会を迎える姿勢を示すことができた。

さらに、一般財団法人柏崎観光協会によるお土産物販の実施により、来場者に地域の魅力を発信するとともに、地域経済への波及効果も生み出した。会場内には、タブレット端末を活用した水球ゲーム(対抗戦)コーナーを設置し、子どもから大人まで気軽に水球に触れられる機会を提供した。

プール施設外ではキッチンカーの出店や地元高校生による花の装飾を行い、来場者が長時間滞在しやすい環境作りに努めた。これらの取り組みにより、競技会場としてだけでなく、イベントとしての魅力を高めることができたと考えている。

これらの取り組みは、大会に参加するチームや応援に訪れる保護者へのおもてなしに留まらず、水球競技に関心のない地域住民や来訪者にも会場へ足を運んでいただき、その中で自然に水球競技を観戦してもらうきっかけづくりを目的としたものである。実際に、キッチンカーやゲームコーナーを目的に来場した来訪者が試合を観戦する姿も見られ、水球競技の新たなファンづくりにつながる可能性を感じることができた。

水球競技をより多くの方に観戦・応援・支援していただくためには、競技そのものの魅力に加え、会場に足を運びたくなるような付加価値の創出が重要であると考える。今後も、地域と連携した取り組みや新たな企画を検討しながら、大会の更なる発展と水球競技の普及・振興につなげていきたい。また、本大会を通じて、地域と競技が相互に発展する好循環を生み出し、「水球のまち」としての魅力向上にも寄与していくことを期待するものである。

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