パンパシフィック選手権 OWS国際審判報告
執筆者:OWS国際審判員 原 怜来
パンパシフィック選手権の開催は新型コロナウイルス蔓延の影響で、2018年の日本開催以来となった。2018年といえば、東京五輪に向けた運営準備を日本で行っている最中であり、まさかその後2020年にオリンピックが開催できない事態となっているとは想像もしていなかった。今回はその時以来となり、2028年ロサンゼルス五輪に向けて運営準備をしているアメリカ・ロサンゼルスでのパンパシフィック選手権開催となった。参加している選手団のみならず、国際審判員、特にアメリカ国内の審判員が国際大会にフィットしようとする積極性が伺えた大会であった。
到着した翌日には、監督者会議の後に審判団の顔合わせと打ち合わせが行われた。審判団は国際審判員とアメリカ国内の審判員で構成され、世界水泳連盟の新しいルールを再確認した。世界水泳連盟の新しいルールの確認では日本人である市川伊興氏が講師となり、審判団に説明を行った。チャーターネーションの中でも市川氏が皆をまとめていた姿は日本人として誇らしかった。様々な意見交換やこの場合はどうするかなどの実際の大会を想定した事前確認ができ、大会に向け準備していると実感できる時間となった。
このような講習会や食事の場では、同じ国で固まるのではなく、他国の人とコミュニケーションを図ることが重要であると考える。今回は移動も1つのバスではなくタクシーなどを利用し、数名ずつに分かれての移動となったことで、移動時間で各国の国際審判育成事情を知ることができた。日本もこういった環境に多くの人を派遣し、国際的な視野を持った審判を増やしていきたいと感じた。
パンパシフィック選手権はチャーターネーション諸国で運営する大会で、世界水泳連盟主催大会と比べると厳しい運営基準のもとでの開催ではない。そのため、今回はレース直前のブリーフィングにホワイトボード等はなく、口頭、もちろん英語でひたすら説明がなされた。世界水泳連盟主催大会であるとホワイトボードが用意され、コース図などが示され、英語圏ではない参加者がいても理解しやすいような説明が端的になされるが、パンパシフィック選手権ではひたすら英語で口頭での説明となった。国際審判の立場からすると、このような口頭のみで説明する能力も必要であると感じた。
今大会は、審判員全員にレース終了後に参加賞が渡され、無事故で終えることができたと達成感を感じることができた。このように代表選手団だけでなく、審判団にも大会組織委員会から参加賞が渡されることで、スポーツを支える人への配慮も感じる大会となった。
世界水泳連盟もこれからは国際審判資格制度を変更し、オンラインを駆使して様々な方がトライできるシステムを検討しているようである。日本からも多くの方にトライしていただき、さらには合格して資格フォルダーだけにならないよう、合格後には、オフラインで国際大会に参加し、他国の人との交流を図り、より良い運営を学ぶ人が増えるといいなと感じた。そうすることで、国内の運営を国際基準にするとともに、スポーツを支える人が楽しめる場にできたらと思った。
今回このような場を作っていただいた日本水泳連盟国際委員会、競技委員会、OWS委員会に感謝申し上げる。
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