2025.08.03 競泳

【#競泳】松下と成田がともに銀メダルを獲得して有終の美を飾る(世界水泳選手権2025/シンガポール)

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©PHOTO KISHIMOTO / TAKAO FUJITA

大会自体は7月11日、そして競泳は7月27日からスタートした世界水泳選手権2025/シンガポールもとうとう最終日を迎え、最後は一気にメダルを2つ獲得する最高の一日となった。

男子400m個人メドレー決勝には、松下知之と西川我咲のふたりが、予選を1、2位で通過。センターレーン2つを日本代表選手が占領するという贅沢な決勝レース。

スタートして最初の50mこそ軽かったバタフライだが、ターンをしたところで少し抑え気味の雰囲気に。それでも3位で折り返し、背泳ぎで2位に浮上。先を行くMARCHAND Leon(フランス)は1分57秒64でターン。松下は「1分58秒台では折り返したい」と言っていたが、そこからかなり遅れる2分00秒52で平泳ぎへ。

平泳ぎではNABのBORODIN Iliaに前を行かれたが、最後の自由形こそ松下の真骨頂。350mでBORODINに迫ると、ラスト25mで逆転。はるか先を行くMARCHANDには届かずも、松下は4分08秒32の自己ベストを更新して、パリ五輪に続く銀メダルを獲得した。

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「予選と同じ力感で臨みましたが、バタフライの後半から少し固さが出てしまったかな、と感じています。最後の自由形は、絶対に銀メダル以上を獲ろうと意地で頑張りました。銀メダル獲得は最低限の目標だったので、本当に最低限の目標クリア、という感じです。でも、やっぱりとても悔しいです。記録は自己ベストだったとしても、今回のレースはレース直後から悔しさが強く残っています。それはきっと、自分が目指していたところが高いからであって、昨年に比べて成長できた部分かな、と思います」(松下)

バタフライこそ8位スタートだったが、背泳ぎ、平泳ぎと松下と共に上位に迫った西川。最後の自由形で松下、そしてNABのBORODINに遅れを取ったものの、最後まで周囲に惑わされず、自分のレースを貫いた西川。4分10秒21で4位入賞を果たした。

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「緊張はありましたが、自分のなかではそれほど強いプレッシャーではありませんでした。ただ泳ぎの部分で力んでしまったところがあったと感じています。決勝でメダルを獲る、というのが目標だったのでそれが達成できず悔しい気持ちもあります。ですが、この経験を前向きに捉えて次につなげていきたいと思います」(西川)

男子に勢いをもらった女子400m個人メドレー決勝。こちらも成田実生と小堀倭加のふたりが決勝レースへ。

成田はバタフライを終えて5位、得意の背泳ぎを終えたところで2分14秒02の7位と後半からのスタート。だが、ここからが成田劇場の始まりだった。平泳ぎが始まるとどんどん前との距離を詰めていき、300mの折り返しで一気に3位に浮上。さらに前を行くオーストラリアのFORRESTER Jennaと1秒あった差を自由形に入ってすぐに逆転。350mのターンでは2位にまで順位を押し上げる。だがFORRESTERも後半追い上げてきて、再度並んだところでフィニッシュ。成田とFORRESTERが同着の4分33秒26で2位。成田は自己ベストを大幅に更新して銀メダルを勝ち取った。

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「日本チームの皆さんがおめでとうって言ってくれてとてもうれしくて、目標を達成したんだ、という実感がわいてきました。まだ信じられない気持ちもありますが、どこかでこの瞬間をイメージしていた自分もいたので不思議な感じがします。レースは、ラップタイムを見ると前半が2分14秒と、もし観ている側だったらハラハラするような展開だったかもしれません。でもセンターレーンから離れていたこともあり、最後まで自分のレースプランに集中して思うように泳ぐことができました」(成田)

「前半のバタフライが課題」と話していた小堀は、そのバタフライは8位発進。背泳ぎで少しずつ追い上げていきたいところだったが、平泳ぎ、最後の自由形と上位には追いつかず。4分38秒05の7位入賞となった。

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「決勝の舞台は楽しめたと思います。ただ、予選も全力だったので、2本目はキツかったです。それでも最後まで全力を出し切れたレースができました。今までとは違った成長を感じられる大会になりました」(小堀)

大会を締めくくる最後のリレー種目、女子4×100mメドレーリレー決勝。予選を5位で突破した日本代表チームは、予選と同じく高橋美紀、鈴木聡美、平井瑞希、そして池本凪沙の4人で臨む。

高橋は1分01秒78で引き継ぎ、鈴木がそれを受け取って1分05秒57で泳ぐ。平井が56秒46で一人抜いて7位に順位を押し上げ、アンカーの池本が53秒82でその順位を維持。3分57秒63で7位入賞を果たした。

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なお、アメリカは3分49秒34の昨年のパリ五輪で樹立した世界記録を更新して優勝を果たした。

そのほか、男子50m背泳ぎ決勝はただひとり23秒台をマークした世界記録保持者、KOLESNIKOV Kliment(NAB)が23秒68で優勝。2位は南アフリカのCOETZE Pieterと、KOLESNIKOVと同じNABのSAMUSENKO Pavelが同着で24秒17で入った。

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女子50m平泳ぎでは、飛び込んで一気に抜け出したMEILUTYTE Ruta(リトアニア)が29秒55で優勝。ひとり30秒を切る抜けたスピードを見せつけた。

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女子50m自由形決勝は、まさに横一線。その戦いを制したのは、中盤から頭ひとつ抜けたHARRIS Meg(オーストラリア)が24秒02で優勝。2、3位は中国でWU QingfengとCHENG Yujieがそれぞれ入った。

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男子1500m自由形決勝。女子の800mも世紀の一戦と称されたが、この男子1500mも最後まで激しい競り合いが演じられた。ラスト100mで抜け出したのは、800mを制したチュニジアのJAOUADI Ahmedだった。14分34秒41で優勝を果たし、14分35秒69の2位にはドイツのSCHWARZ Svenが入った。アメリカのFINKE Bobbyは14分36秒60の3位となった。

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そして男子4×100mメドレーリレーでは、背泳ぎでCECCON Thomasが飛び出したイタリアが先行するも、バタフライでGROUSSET Maximeが逆転してフランスがトップに。アンカー勝負になったところで、NABのKORNEV Egorが引き継ぎながら46秒40をマークして逆転。3分26秒93の大会新記録、ヨーロッパ記録で優勝を果たした。フランスは3分27秒96の2位、3位には序盤に出遅れたアメリカが、アンカーのALEXY Jackが45秒95という記録を叩き出して追い上げイタリアを逆転し、3分28秒62で3位に入った。

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大会最後に発表された大会MVPには、200m個人メドレーを驚異的な世界新記録を樹立したMARCHAND Leonと、200mバタフライで世界記録に迫る好記録を叩き出したMcINTOSH Summerが選ばれた。

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