2025.09.05 競泳

【#競泳】中央大学の村佐が個人種目2冠に加えて4×100mフリーリレーも制する(第101回日本学生選手権水泳競技大会)

©PHOTO KISHIMOTO / SOMA SUZUKI

大会公式HP:https://aquatics.or.jp/tournament/50840/
日本学生選手権公式HP:https://www.swim-g.net/intercollege/
SEIKOリザルト:https://swim.seiko.co.jp/index.html
得点速報:https://www.swim-g.net/intercollege/points/7025401/m_index.html?dummy=202506280930
日本水泳連盟公式YouTube(予選・決勝共にLIVE):https://www.youtube.com/@JAQUA1924

東京アクアティクスセンターを舞台に熱戦が繰り広げられている第101回日本学生選手権水泳競技大会 競泳競技。2日目には新記録が3つ誕生した。

この日最初の決勝種目の女子800m自由形。世界水泳選手権でこの種目のファイナリストとなった梶本一花(同志社大学)が、横並びの前半からスルスルと抜け出し、途中の400mの時点で2位以下には4秒以上の差を付ける。後半もその差は縮まることなく、むしろ広げて行くようなレースを展開した梶本が、8分29秒85の大会記録を更新し、この種目では初優勝を果たした。

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「大会記録で優勝する、ということが目標だったのでうれしいです。ただ、タイム的には全然満足できません。特に後半はバテているなあと感じながら泳いでいたくらいですので、また練習を積み直さないといけないと感じました」(梶本)

男子200m自由形決勝。初日の100mを制した村佐達也(中央大学)が、前半から積極的なレースを展開。100mでは50秒92と、自分の日本記録を上回るペースで攻める。後半も粘り強い泳ぎで他を圧倒。世界レベルの泳ぎを見せつけ、1分45秒62の大会新記録を樹立して優勝。個人種目2冠を達成した。

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「ぶっちぎって優勝してやろう、という気持ちが強かったので、その気持ちが前半に表れたレースだと思います。後半の持ち味は出せなかったですが、積極的な泳ぎができたことはよかったと思います」(村佐)

村佐が第2泳者を務めた男子の4×100mフリーリレーでは、中央大学が大会記録を更新。第1泳者の蓮沼椋祐が49秒27の自己ベストで引き継ぐと村佐が48秒50でつないで、前を行く東洋大学を交わしてトップに立つ。このまま接戦になるかと思われたが、第3泳者の光永翔音が魅せる。引き継いで最初の50mで身体半分程度のリードを奪ったと思うと、後半もそのスピードは衰えず。なんと引き継ぎながら47秒72という驚異的なタイムを叩き出し、一気に中央大学が抜け出した。最後は主将の小山陽翔がしっかりと50秒を切る49秒55でまとめ、中央大学が3分15秒04の大会新記録で11年ぶりの優勝を果たした。

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「後ろが頼もしい3人だったので、自分のベストを出すだけでした。48秒台には届きませんでしたが、ベストタイムでつなぐことができて良かったです」(蓮沼)

「(小山)陽翔さんにメダルをかけて上げたかったので、その思いで泳ぎ切りました。全員で勝ち取った大会新記録での優勝。最高です」(村佐)

「今年は絶対に勝つという気持ちで練習してきた。予選を僕の代わりに泳いでくれた選手も含めて、チームで勝ち取った優勝です」(光永)

「日本一頼もしい後輩たちがつないでくれたので、最後の僕は泳ぎ切るだけ。ありがとうございました」(小山)

男子1500m自由形は、こちらも梶本と同じくOWSで日本代表として世界水泳選手権を戦った辻森魁人(日本大学)が、攻める山本大地(中京大学)を300mで逆転。ここからは辻森の独壇場。少しずつほかとの差を広げていき、15分08秒30で優勝を飾った。

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「山本選手が前半から飛ばすと思っていたので、それに離されないように食らいついていき、後半勝負を仕掛けるプランでした。泳ぐ前は良い練習が積めていなかった不安もあったのですが、勝ちきる事ができて良かったです」(辻森)

女子200m自由形は、ユニバーシティゲームズ代表の大学1年生竹澤瑠珂(早稲田大学)が、4年生の長尾佳音(明治大学)との接戦を制して1分58秒36の自己ベストを更新する泳ぎで初優勝を果たす。

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「ずっと憧れていたエンジのガウンを着て戦うレースが楽しかったです。先輩方の応援も力になりましたし、チームのために全力で泳ぎました。優勝できて良かったです」(竹澤)

女子200mバタフライでは、世界水泳選手権代表の藤本穏(同志社大学)が、前半を1文01秒48で攻めるレースを展開。後半に入っても他を寄せつけず、最後は2位以下に2秒近くの差をつけて優勝。2分08秒91の自己ベストを更新する快泳を見せた。

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「自己ベストで2連覇を目標にしていたので、それが達成できてうれしいです。日本代表として負けられないというプレッシャーのかかるレースでしたが、落ち着いて泳ぐことができました」(藤本)

男子200mバタフライは最後まで誰が勝つか分からない大接戦。前半は明治大学の川野博大が54秒68というタイムで突っ込む。後ろはほぼ横一線で7人が川野に続く形でターン。150mでもトップは川野。だが、2位以下との差は確実に縮まってきていた。ラスト50mのスパート勝負。疲れが見えた川野を世界水泳選手権代表の小方颯(日本大学)が捉えると同時に、明治大学の上川畑英も猛烈な追い上げを見せる。ラスト10m、上川畑が川野、そして小方を逆転。1分55秒39の自己ベストを更新する泳ぎで優勝し、雄叫びを上げた。

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「3月の日本選手権ですごく悔しい思いをして、苦しい期間がありました。でもその間に練習や泳ぎを見直して、厳しい練習を積んできました。こうして優勝することができて、本当にうれしいです」(上川畑)

女子100m平泳ぎでは、昨年に続いて加藤心冨(早稲田大学)と小畠優々美(神奈川大学)のふたりがレースを牽引。後半に入ってその小畠を引き離した加藤が1分06秒58で優勝し、2連覇を達成した。

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「2連覇できたことはとてもうれしいです。ただ、目標としていた学生記録に届かなかったことが悔しいです」(加藤)

誰が勝ってもおかしくない男子100m平泳ぎは、前半を中京大学の根本大雅がひとり28秒を切る、27秒97のトップでターン。後半に入ると、松本恭太郎(東京大学)、松田藍青(早稲田大学)らに加え、予選トップの大蔵礼生(近畿大学)が一気に追い上げてくる。ラスト15mで混戦から抜け出したのは大蔵だった。そのまま頭ひとつのリードを保ってフィニッシュ。59秒70の自己ベストを更新する泳ぎでこちらも連覇を飾った。

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「後半は誰にも負けない自信があったので、前半は並んで入れば勝てると思っていました。予選も決勝も59秒台を出すことができましたし、決勝では自己ベストも更新できて満足しています」(大蔵)

女子4×100mフリーリレーは見応え十分のレースが展開される。第1泳者でトップに立ったのは、筑波大学の髙橋凛。第2泳者の溝口歩優も55秒04の好タイムで続いてトップをキープ。逃げ切りたい筑波大学だったが、ここで早稲田大学と明治大学が一気に追い上げてきた。ここで青木虹光は55秒36で繋ぎ、明治大学と筑波大学を逆転して早稲田大学がトップに立つ。ただ、3校の差はわずか。早稲田大学のアンカーは、この日200mを制した竹澤。明治大学は竹澤に破れはしたが自己ベストを更新している長尾。このふたりが一気に抜け出して筑波大学を引き離す。最後まで大接戦を演じた竹澤と長尾。最後はタッチ差で竹澤が長尾の追撃を振り切りフィニッシュ。早稲田大学が3分42秒56で優勝を果たした。2位の明治大学との差はたった0秒11という、まさに接戦であった。

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